好きなことを仕事にする、
やりたいことだけをやる
好きなことで自由に生きる
今、世間ではこんな生き方が「素晴らしい生き方」だと賞賛される風潮があります。
人の目を気にせず、自分の好きなことをやりたいようにやる。
こんな人は魅力的なんだ!と本もネットもテレビももてはやしています。
でも、本当にそうでしょうか?
好きなことをやっていなければ、その人の人生は寂しいものなのでしょうか?
好きなことを探し求めた結果、自分探しの旅から抜け出せない人っているんじゃないですか?あなたの周りにもいませんか?
この記事では、「好きなことを仕事にする」「やりたいことだけやっていく」という考え方が危険であるというお話をしていきたいと思います。
そして、本当はどうあるべきか?ということについて、私なりの答えを示したいと思います。
目次
好きなことだけでは成り立たない

確かに、好きなことを仕事にして、毎日楽しく過ごせることは理想だと思います。
ですし、好きなことだからこそ、本来の力を十分発揮できるというものでもありましょう。
しかし、その理屈はわかるんですが、はたしてそれで社会が成り立つでしょうか?
だからと言って、嫌なことを我慢してまでやって、心を病むことが良くないのも、言うまでもありません。
ここで一つ考えておきたいのは、第二次世界大戦後、我らが日本は高度経済成長を経験してきたことです。
これはほとんどの人がご存知のことでしょう。
私はその頃に生まれていませんが、紛れもなく私たちの偉大なる先輩たちは、今の経済大国日本の礎を築いてくださったのです。
そのころ現役でバリバリ働いていた人たち、一体どんな気持ちで仕事していたんでしょうか?
今の世間みたいに、「好きなことを仕事に!」とか「やりたいことやってない奴はかっこわるい!」みたいなこと言ってたでしょうか?
絶対そんなこと言ってないと思いませんか?
そんなこと言わなくても、みんなが本気で仕事してきたから、歴史上でも前例がないほどの経済成長を達成できたのではないでしょうか?
かといって、嫌いな仕事をイヤイヤやっていたようにも感じないのは、どういうことなんでしょう?
みんながみんな一致団結し、それぞれの仕事に誇りを持っていたのではないかと、私はかんがえるのです。
好きなことを仕事にするのが危険な3つの理由

私自身、ここ近年の「好きなことを仕事に」ブームに流されていたのでわかるんですが、好きなことを仕事に!という価値観が絶対だと思い込んでしまうと非常に危険です。
その理由は3つあります。
理由1:自分探しの旅の始まり
まず、自分の好きなことを!と考えた時に、かなり多くの人は、自分が何を好きなのかよくわかりません。
やりたいことが見つからない、という人も大勢います。というかたぶん、ほとんどの人がそうです。
すると次に取る行動といえば、「自分の好き」がなんなのか、考え始めます。まああたりまえですね。
ですがこれが危険なのです。
そして次にとる行動は、
- 自分の過去から手がかりを探す か
- 興味のあることを求めてあれこれ手を出す
のどちらかです。
そして、やがてこれかも!、、、と思ってやり始めるんですが、大抵は1発でハマりません。
そうなれば、「やっぱりこれじゃなかった」となります。
だいたいこうなります。
そしてまた考え始め、以下無限ループ。これがつまり、自分探しの旅の始まりです。
自分探しはすればするほど、わからなくなります。
一度ハマると、自分の好きなことはこれでもない、あれでもないと、何度も何度も同じことを繰り返すようになってしまうため、危険なのです。
理由2:言い訳体質になる
好きなことを仕事にしたい、と考えた時点で、「今の」仕事には満足していないということです。
つまり、そうなる人の大半は、その仕事にやりがいを感じていないか、満足のいく結果が出ていないということになります。
そうなれば、自分の仕事や生活がうまく行っていないのは、「仕事が好きなことではないから」ということになってしまいます。
つまり、自分がうまくいかないのを「仕事のせい」にするようになるわけです。
「好きなことじゃないから、やる気が出ない」
「やりたいことじゃないから、もうやめたい」
こういう言い訳をするクセがついてしまいやすくなるのです。
このクセがつくことは、言うまでもなく非常に危険です。何にたいしてもすぐ言い訳するようになっていきます。
理由3:ラクなことしかしなくなる
好きなことややりたいことを求める人は、「好きなことならストレスなくできる」と考えがちです。
つまり、キツイこと、大変なこと、ストレスのかかることは「好きじゃないからキツいんだ」と考えるようになります。
これだと、キツくなるということは、イコール「やっぱり好きじゃなかったんだ」となってしまいます。
こうなると危険なのは、今やっていることがキツくなったら、すぐやめて次から次へとラクなこと(=好きなこと)にばかり走ってしまうこということです。
ラクなことしかしなくなってしまうのです。
何をやるにしても、ずっとノーストレスなんてものは存在しません。仕事にするとなればなおさらです。
好きになることは”能動的”であるべき

好きなことだと思って仕事にした結果、ツラくなったらすぐに「やっぱりちがう」とやめていたら、正直キリがありません。
それをやっているうちは、一生好きなことは見つかりません。
なぜなら、何をやっても、必ずキツイ部分は存在するからです。
それなら、一体何が好きなことになるのかわからない!と思ってしまいますが解決策はあります。
それは、
自ら好きになること
です。
嫌いになる理由を探すのではなく、より好きになる理由を探すのです。
あの人から愛されないから、好きになれない ではなくて、
自分からいいところを見つけて、好きになるよう努力するのです。
好きになられるほうとしては、相手が自分のいいところを見つけて好きになってくれたら、うれしいですよね。
それと同じなのです。
”好き”とは、あくまでも能動的なものだったのです。
嫌な仕事を我慢するのとは違う

そうなると、
「じゃあ今の嫌な仕事を、我慢して無理してやるしかないのですか!」
「自分を押し殺すしかないのですか!」
という疑問が湧きます。
これはごもっともで、かつては私も我慢し続け、自己犠牲ばかりしていた結果、本当に仕事が嫌になりウツになりかけましたから。
ですが、「嫌いなことを我慢する」のはちょっと違います。
嫌いなまま、イヤイヤやるのは我慢です。
今は嫌いかもしれないけど、好きなところを見つけるように努力することは、「理解する」ことです。
我慢ではなく、知ろうと、理解しようと努力するのです。
これは感情的に嫌い!だからやらない!と決めつけるのと、全く違います。
大事なのは、役割を全うすること

好きなことが「見つからない」のではありません。
好きに「なろうとしていない」だけなのです。
好きなことを仕事にしようとして、なかなかそれができないのは、見つけようとしているからなのです。
そうではなくて、好きに「なろうとする」ことです。
見つけようとしても見つからないのはそのためです。
本当はすでに、目の前にあるからです。もう与えられているのです。好きになるべきことが。
それが、今の役割を全うするということです。
自分探しの旅をして、好きなことを探しまわるのではなく、腰を据えて”今”与えられている役目を好きになるように努めてみてはどうでしょうか?
あれこれ探すよりも、実はこっちの方がよっぽど近道です。かんたんです。迷わなくていいんですから。
高度成長期の偉大な先輩方。
彼らが強かった理由は、「迷わなかったから」だと思うのです。
意味もなく、今のあなたの役目が与えられているはずはありません。
ですから、その役目を好きになってみる。これが、私からの提案です。
THE BIBLE 〜「好きなことを仕事に」は危険!? 編〜
- 「好きなことを仕事にすること」ばかり賞賛される風潮は危険です。
- ”今の”役割を積極的に好きになり、全うしてみよう!
あなたが光り輝きますように。